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TECHINFO
升(ます)を国語辞典で調べてみると、「液体・穀類の計量用の容器」と記載されています。家庭では料理に使う計量カップや計量スプーンなど、皆さんにはお馴染みの升があります。容積流量計はこの「升」で直接流量をはかるため、実測式と呼ばれています。 容積流量計は、構造としては「自動連続升」と呼ぶと分かりやすいと思います。ピストンや回転子などの「運動子」と、それを包んでいる「ケース」によって空間が形成されます。この空間を「升」として、運動子が回転することによってこの升を連続的に流出側へ送り出して行く構造です。この升の体積が分かっていれば、運動子の回転数を数えることによって容積流量が測定できます。簡単に言えば、升で一杯、二杯、三杯・・・というようにはかり、これを連続的に行っているものです。
入り口から流体を流すと、オーバル歯車(以下、回転子)の歯面に圧力が掛かります。上図1の位置関係ではA回転子は軸に対して圧力がバランスしているので回転力が生じませんが、B回転子は出口側の圧力よりも入り口側の圧力の方が高いため、矢印の方向に回転力を生じます。このとき二つの回転子は歯車としてかみ合っているのでB回転子はA回転子を駆動しながら回転します。次に90度回転した位置(上図3の位置関係)では先ほどとは逆にA回転子が回転力を生じB回転子を駆動しながら回転します。流体の供給が連続的に行われれば、このような回転動作は連続的に行われます。
オーバル流量計は、回転子が1回転するごとに回転子とケースの間に出来る三日月形の「升」の4杯分の容積を送り出します。したがって、回転数が分かれば流量が分かります。
オーバル流量計の特徴として、
などが挙げられます。 また、オーバル流量計は計測原理上以下の点に注意が必要です。
しかし、高精度(取引用としては±0.2%)な流量計であり、取引証明などの分野では重要な流量計です。また、近年では電子化・高機能化・低価格化しており、今後も広く利用される流量計です。