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CALIBRATION

不確かさ入門

国際計量計測用語(VIM)で規定されたトレーサビリティを構築する為の条件

  1. 1.計量トレーサビリティの定義:校正(Calibration)の途切れない連鎖
  2. 2.校正の定義:「測定標準との比較結果」と「不確かさ」を与える行為

↓ この二つの定義から

校正証に「不確かさ」表記が無い場合には、トレーサビリティの根拠に欠ける事となります。よって「不確かさ」が明確ではない校正では、正式な定義上はトレーサビリティが確保出来るとは言えません。

※当社は、計量法校正事業者登録制度(JCSS)に基づく登録を取得ており、当社が発行するJCSS校正証明書は完全なトレーサビリティの証明となります。

不確かさとは?

不確かさの定義: 測定値からどの程度のばらつきの範囲内に「真の値(True Value)」があるかを示すもの。
真の値の定義 : 観念的な値であり、実際には求められないが、観念的値であるが故に、万国共通の値でもある。

これだけでは良く判らないと思いますので、具体例で理解を深めましょう。

↓

月差±15秒以内の「クオーツ時計」と一日で10秒狂う「ぼんぼん時計」。
今迄の “精度” に関する考え方では、単純に時計の性能だけを見て、(クオーツ時計=高精度)>(ぼんぼん時計=低精度)でした。

クオーツ時計

これからは「校正の不確かさ」の条件を加味して考えますので、条件が『ぼんぼん時計は狂い易いので毎日午後零時の時報で合わせています』・『クオーツ時計は狂いづらいので3ヶ月に一度、時報で修正するだけです』の様な管理体制であった場合、ぼんぼん時計は最大誤差が±10秒、対するクオーツ時計は±45秒となります。
表示不確かさ比較では、(ぼんぼん時計の表示=良い精度)>(クオーツ時計の表示=悪い精度)となり、不確かさでの精度評価では逆転するのです。

不確かさで得られるもの

不確かさは、ある確率で真値が存在すると思われる範囲を示すものです。例えば、校正値に対する拡張不確かさが0.1%(k=2)だとすると、校正値±0.1%の範囲内に約95%の確率で真値と思われる値が存在すると推定されます。校正値(例えば、流量計の器差)を使用して何らかの管理を行う場合、校正値に付与されている不確かさの値を考慮することで、より確実な管理基準値を決めることで出来ます。

JCSS校正証明書の実例

通常は「拡張不確かさ」として下記のように記載されます。

※校正証に記載される不確かさの値とは、校正結果に付加されるものです。流量計自体の不確かさではありません。

不確かさでの「優」と「劣」の比較(ダーツ編)

このダーツ投てき者を流量計に例えるならば、今迄は(優)ピンク流量計の精度 →(劣) ミドリ流量計の精度と実用上問題が残る評価結果でした。

不確かさで比べれば(優)ミドリ流量計不確かさ → (劣)ピンク流量計不確かさと真の値にどちらが近い?と言う現実的対比となります。

ダーツの図

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