CROSS COUNTRY
SKIING

クロスカントリースキー

ABOUT

クロスカントリースキーとは

クロスカントリースキーは雪に覆われた地域を移動する手段として北欧で誕生し、19世紀末ごろに競技化されました。 脚や腕を使いアップダウンのあるコースを滑りぬくことから「雪上のマラソン」とも呼ばれており、体力・技術・精神力が重要となる競技です。 オリンピック種目にもなっており、ヨーロッパで人気のスポーツです。

METHOD

クロスカントリースキーの走法

走法には大きく分けて、「クラシカル走法」「スケーティング走法」という2種類の走り方があります。クラシカル走法は、スキー板を履いた脚を平行に保ちながら、左右交互にスキー板を滑らせます。クラシカル種目の競技中にフリー走法をすると失格となります。スケーティング走法は、アイススケートと同じような走り方をします。スケーティング走法は、新しく作られたスキーの進み方で、クラシカル走法よりもスピードが出ます。そのためルールで禁じられていなければ、下り坂を滑走する時以外は、スケーティング走法が使われます(画像はクラシカル走法)。

START

クロスカントリースキーのスタート方法

クロスカントリースキーのスタート方式は、各選手が一定の時間をおいてスタートしてスタートとゴールのタイム差を競う「インターバル」方式と、マラソンのように選手が一斉にスタートし、ゴールの着順により順位が決まる「マススタート」の2種類があります。インターバル方式は、選手が1人ずつスタートしますので、選手間の接触などが起こりにくく、各選手の純粋な「走力」で勝負が決まります。対して、マススタートは、参加者全員が一斉ににスタートしますので、スタート地点が混雑し、ポジション取りや、選手間の「駆け引き」が重要な要素になります。(画像はマススタート)。

USE

どんな道具で競技するの?

斜面を高速で滑り降りるアルペンスキーと、平面を歩いたり、坂道を上ったりするクロスカントリースキーでは使用する道具に違いがあります。
また、クラシカル走法やスケーティング走法などによっても、道具にちょっと違いがあります。ここでは、クロスカントリースキーの道具について紹介いたします。

TOOLS

クロスカントリースキー 道具の紹介

スキー板

通常のスキー板より細くて軽い作りとなっており、雪を削って進むための金属のエッジがないのが大きな特徴です。一般的に、スケーティング走法の板(左)よりもクラシカル走法の板(右)の方が長いものを使用します。

スキー板はアーチ形になっていますが、この部分には滑り止めの働きをするグリップワックスを塗り、その前後には滑る働きをするグライドワックスを塗ります。クラシカル走法では平地や上り坂でもしっかり雪をつかんで走るためです。スケーティング走法の板にはグリップワックスは塗りません。

スキーブーツ

クラシカルブーツ(左)はグリップワックスを効かせやすくするなどの理由から足首の固定がなく、ソールも柔らかめに作られています。スケーティングブーツ(右)はスキー板全体に力を加えるなどの理由から足首がしっかり固定されていて、ソールも硬く作られています。

クロスカントリースキーは、アルペンスキーのように高速で滑り降りるのとは違い、普段の『歩く』、『走る』といった動きに、とても近い運動をすることから、柔らかいブーツをつま先だけビンディングで固定し、踵(かかと)はスキーから自由に離れる構造になっています。

ポール

ポールも推進力に影響を与える重要な道具です。クロスカントリーレース用ポールは走法(スケーティング、クラシカル)により、それぞれ長さが変わります。クラシカル用では身長×0.83、スケーティング用で身長×0.91程度となっています。

クロスカントリースキーの主な競技

ノルディック複合

NORDIC COMBINED

クロスカントリースキーとジャンプの2種目の成績によって順位を争う競技。

クロスカントリースキー

CROSS COUNTRY
SKIING

バイアスロン

BIATHLON

クロスカントリースキーと
ライフル射撃を組み合わせた競技。

クロスカントリースキーの主な競技 ノルディック複合 クロスカントリースキー バイアスロン

クロスカントリースキーの主な用語

協会

FIS

国際スキー・スノーボード連盟。スキー及びスノーボードの国際競技連盟。略称はフランス語名よりFIS(フィス)。本部はスイスのドイツ語圏にあたるベルン州トゥーン区のオーバーホーフェン・アム・トゥーナジー(Oberhofen am Thunersee)におかれている。

SAJ

公益財団法人全日本スキー連盟。日本におけるスキーをはじめとしたスノースポーツの国内競技連盟。日本オリンピック委員会、日本スポーツ協会加盟団体、旧所管は文部科学省。

競技・種目

チームスプリント

1チーム2名で編成し、リレー方式で1人3周する競技。

バイアスロン

クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた複合競技。「動」と「静」という相反する要素をバランスよく整えることが求められるスポーツ。ラテン語の「2つ」を意味する「bi(バイ)」に「競技」を意味する「athlon」をつけた言葉。

クラシカル競技

走法に制限のある競技。スキー板を平行に保ち、足を前後に動かして進む伝統的な走法が使用される。

フリー競技

走法に制限のない競技。一般的にはスピードの出るスケーティング走法が使用される。

パシュート

前半をクラシカル走法、後半をフリー走法で滑り、その合計タイムを競う種目。クラシカル走法で走った後、スキー板を履き替えてフリー走法を行う。

スプリント

滑走距離は1.5kmと、短距離を走る種目。時間にすると2分半程度で勝負が決まる。

スキーアスロン

出場選手全員が一斉にスタートする、マススタートでスタートし、レースの前半はクラシカル走法で走り、交換用のピットボックス内で必ずスキー板を交換し、レースの後半はフリー走法で走る複合種目の方式。

走法

インターバルスタート

出走選手が個別に一定時間差 (30秒間隔など) で順次スタートするスタート方法。選手同士の接触が少ないため、平等にタイムを比較することができる。

マススタート

出場選手全員が同時にスタートする方式。着順によって順位が決定される。スタート地点ではトップシードの選手から有利なポジションが与えられる。

クラシカル走法

雪の上につけられた2本の溝の上を、スキー板の平行を保ちながら左右交互にスキー板を滑らせる走法。クラシカル種目の競技中にフリー走法を行うと失格となる。

スケーティング走法

クラシカル走法よりも短いスキー板、長いストックを使用して、足を逆ハの字形に開いて、片足で後ろに蹴って、もう片方の足に乗り進む。フリー競技では下り坂で滑る場合を除いて、スケーティング走法が使われるのが一般的。

クローチング

両手でストックを持って、かがみこむ姿勢。下りのコースでスピードを上げる際の滑走姿勢。

タッチゾーン

リレー種目における、選手がタッチして交代できる範囲の場所のこと。

バンフライ

前を走る選手にコースを空けてもらうためにかける言葉。ドイツ語で「コースを空けてくれ」という意味がある。コース上でバンフライ禁止地点が設けられていると、その地点では追い越しできない。

ローラースキー

クロスカントリースキーに最も近い状態で、夏に行われるトレーニング方法。両端にタイヤのついた板を履いて、タイヤを転がして滑る。

道具

ビンディング

スキー板とブーツを固定する道具のこと。アルペンスキーとは異なり、つま先だけビンディングで固定し、踵(かかと)はスキー板から自由に離れる構造となっている。

ブーツ

アルペンスキー用ブーツとは異なり、ビンディングで固定されるのはつま先のみで、踵(かかと)は固定されない。「フリースケーティング用」、「クラシカル用」、「共用」などに分かれ、フリースケーティング用は固めで足首の部分も長いため、スキー板に力が伝わりやすくなっている。クラシカル用は柔らかく、足首の部分が短いため、足首を動かしやすく歩きやすい。

ポール

ストックともよばれる。アルペンスキーでは滑走中のバランスを取るためやターンする際の補助などの役割が主であるが、クロスカントリースキーでは前に進むための重要な役割がある。アルペンスキーよりも長いものを使用する。

キャップ

頭部に着用する帽子のこと。

グライドワックス

スキー板の滑走性の向上と滑走面の保護のために使用するもの。雪の状況や雪温に最も適したワックスを塗る。一般的にワックスというと、グライドワックスを指すことが多い。

グリップワックス

滑り止めワックスやキックワックスとも呼ばれる。クラシカル走法では雪の上で摩擦による牽引力がかかるように、グリップワックスを塗る。これによって、平らな場所はもちろん、上り坂で前方に進むことができる。

スクレイパー

スキー板のワックスをはがしたりするなど、スキー板を整備する時に使用するプラスチック製の板。